インシュレーター
応用例(音響関係)
 音響分野で最初に応用されたのはスピーカーのインシュレータであった。スピーカの下にただ敷くだけで、図18: 準高周波・低振幅の応用耳という超高感度機器でその効果を簡単に検証できたからである。図22は、スピーカに使った一例である。スピーカーボックスとベースの間に挟み込んだだけで大変な効果が出たという[23]。スピーカが軽量であったり、設置床がソフトな場合には注意が要る。インシュレータにかかる重量が高いほど効力は現れ、床が軟らかいときには合金内部の双晶を働かす機会が生まれないため十分な減衰効果は発揮できない。
 その後、この種のインシュレータは、形状・厚さの品種が増え順調な売れ筋の一品となっている。
図19
コイル形による低周波・高振幅の応用
図20
低周波・高振幅の応用
振動を吸収するネジ・ワッシャー
応用例(音響関係)
 制振合金をネジ・ワッシャーの所謂締結具に応用された例はなかったが、M2052 合金はそれをはたした。
 アブソーバー・スクリューとしてネジ・ボルト・ナット・ワッシャーが評判である[24, 25, 26, 27, 28, 29, 30,31, 32, 33]。大手の一部のオーディオ・メーカにすでに採用され、音質改善に貢献している。
 制振ネジの効果に関する実験データがある。それを図23 に示す[34]。長さ300、幅40、厚さ3mm の鉄板を叩き、マイクロフォンで2 秒間の計測記録を比べている。左は無垢の鉄板、右はその鉄板の5 箇所に4mmのタップを切り、そこに4mmの制振ネジを取り付けた試験片である。それぞれの波形は同じ条件で叩いた音響である。明らかにネジの効果は決定的に大きいことが確認できる。
 電気製品・機器類の内部には多数のネジ類が使われている。ネジ止めされている個所の従来のネジをことごとく制振ネジ・ワッシャーと交換したところ、音質が格段上位の機種に変身したという例が報告されている。ネジ止めの具体例を図24に示す[35]。これはプリメイン・アンプの例で、M3 の6mmとM4 の15mm のネジ・ワッシャーがそれぞれ11箇所に取り付けられている。このようなところに制振具を用いただけで格別な音質改善が得られる。図??は、CDプレーヤであり、4箇所にある白色の止具があり、そこのゴムを除去し、メカの上下にM6のワッシャーを挿入してから上部を固定した。簡単な作業であっても改質は著しいという。
 シャーシとIC回路基盤を取り付けているネジの交換にも効果があり、デジタル信号におけるこのような効果の事実について論議を呼び起こしている。未だそのメカニズムは解明されていない。ネジ止め実験の詳細な検討結果はいずれもよしとして報告されている[32, 33]。どのネジを交換することが最善かはいまのところ試行錯誤以外に無いが、フアンは急増している。
図21
高周波・低振幅を低周波高振幅変換の応用
図22
スピーカのインシュレータ
図23
鉄板を叩いた時の制振ネジの効果